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仰天!?くすりのおはなし

2009年10月14日

小中高校生対象、健康や医薬品に関する知識の実態と「くすりの授業」の効果(第42回日本薬剤師会学術大会発表ポスター)

小学生で2割、高校生では3割強が薬を学校に持参、7割が医薬品の効く仕組みを知らない、4割が飲み物無しやお茶やコーラ等で医薬品を飲むなどの子ども達の実態、そしてくすりの授業は7割が参考にされ、友達や家族など周囲への影響もあることがわかってきましたので、紹介します。

今回の調査は、教材貸出サービス時に皆様にお願いしている事前・事後アンケートについて2008年度に頂いた分を集計したものです。

協力してくださったのは20件で、その授業は、半数が10~40人、3割が40~100人単位で行われ、学習時間は45分以上90分未満が7割でした。
学習の企画者は養護教諭が多く、実際の授業は学校薬剤師や養護教諭が単独で行うケースが最も多いですが、両者、又はどちらかと担任の連携で行われることも少なくなかったようです。
授業の内容では、最も教育者が重点的に伝えたのは「用法・用量」や「コップ1杯の水で服用」などの正しい使い方、続いて健康と医薬品の意味、種類と形、仕組みや工夫、効き方で、副作用は副次的な扱いでした。また、授業実施者の2割が既に次の実施が決まっており、また7割が今後も継続したいと考えていました。

その結果として、以下のようなことが分かりました。
《事前アンケート結果》  
児童・生徒の健康や医薬品に対する意識の実態が以下のように判明した。
1.小学生で2割、高校生では3割強が薬を学校に持参しており、医薬品が身近なものである、あるいは必要な環境にあると考えられる。
2.自分の考えで医薬品を飲む機会も年齢に応じて増えることが伺われた。
3.一方で7割が医薬品の効く仕組みを知らない、4割が飲み物無しやお茶やコーラ等で医薬品を飲むなど、正しい知識を持たずに医薬品を使っている実態がみられた。
4.「副作用」という言葉は小学生でも5割以上が知っており、さらに中高では4割が「経験した」との認識があった。
5.改正薬事法により一般用医薬品が広告・宣伝されているが、一般用医薬品と医療用医薬品の違いの認識は中学校では1割以下、高校で2割程度だった。
6サプリメントの服用経験は6割近くになるが、医薬品との違いは認識されていない実態があった。

N=510名(内訳:小学生290名、中学生182名、高校生38名)
※グラフは抜粋


《事後アンケート結果》
当アンケートでは各授業で扱われた内容については詳細に特定できないものの、授業はよく理解されており、その知識は医薬品を使用する場合に参考になるとの回答が9割を越えている。また参考にされた箇所はコップ1杯の水で飲むなどの基本的な使い方が多かった。
N=985名(内訳:小学生610名、中学生337名、高校生38名)


事後アンケートの中で、医薬品の使用にあたり参考になると思われた点(自由回答)
N=592名(内訳:小学生375名、中学生202名、高校生15名)


以上の結果から、事前アンケートより、児童や生徒の身近には医薬品やサプリメントがあり、副作用などの情報も耳にしているが、一方で基本的な医薬品の知識を持たず、安易に使用する実態が判明しました。しかし授業を行うことで、従来の間違った使い方を自覚して正しい使い方を身に付け、さらにそれらを家族や友人へと伝達するなど周囲への影響力も大きいと考えられます。
小学生と中学生を比較すると、その理解度はむしろ小学生がより高く、平成24年度から義務教育となる中学3年生よりも早い、小学校の段階での教育が充分可能であり有効であることも示されました。

協議会としては、保健体育や養護の先生方にくすりの授業の充実を呼びかけていくと共に、学校薬剤師が学校における医薬品の専門家として、率先して学校現場をサポートすることを期待しています。そして、自らの健康状態や医薬品の使用に対する知識と判断力を培う今後の義務教育の成果に期待していくと共に、小学生の段階から基礎的な知識を教えるなど一貫性のある教育を今後求めていきたいと考えています。

ご協力くださいましたみなさま、誠にありがとうございました。個々の学校のアンケート結果も順次お送りさせて頂きます。

(参考)調査概要
対   象:「くすりの授業」を受けた児童や生徒(小中高)
収集期間:2008年4月1日~2009年3月31日
収集件数:49件中20件
(事前:14件/510名/回収率28.6%、
         事後:20件/985名/回収率40. 8%)

以上の内容は第42回日本薬剤師会学術大会にて、ポスター発表いたしました。ポスターをダウンロードしたい方はこちらをクリックしてください(PDF)


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