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テッタ博士の豆知識

2008年7月5日

連載シリーズ「テッタ博士の豆知識」を開始しました。 今月は、細菌性食中毒についてです。

今月から、新しいシリーズ「テッタ博士の豆知識」の掲載をはじめました。
テッタ博士は、くすり教育を熱心に進めている大学の先生です。今月からは、テッタ博士に薬や病気などについての面白いながらためになるような情報を、分かりやすく解説してもらいます。
養護の先生必達の「保健だより」や薬局のちょっとしたチラシ、地域回覧紙、機関紙の情報等にお役立てください!
勿論、ご家庭で保護者の方からお子様方にお伝えいただける内容ですので、是非、ご活用ください。
(テッタ博士の紹介は、記事の最後で行っています)




細菌性食中毒 役立つ情報
一般的に細菌性食中毒は高温多湿の夏場に多く、6月頃から増加し、8~9月にピークとなります。これからの時期、食中毒を起こさないためにも、食中毒の原因を知り、正しく予防しましょう。
食中毒の現状
食中毒の発生ピークは、夏と冬に見られます。夏の主な原因は細菌に起因し、冬はウィルス(ノロウイルス)などに起因します(図1)。


図1 平成19年 月別食中毒発生状況 (厚生労働省)

 細菌は、高温多湿の環境を好むため、細菌性食中毒は夏場に多く、6月頃から増加し、8-9月にピークとなります(図2)。これからが本格的な細菌性食中毒の季節です。


図2 平成19年 月別細菌性食中毒発生状況 (厚生労働省)

食中毒はどこで起こりやすいでしょう? 平成19年には食中毒発生率の約60%は、飲食店、旅館、仕出し屋で占めていますが、家庭で10%、学校でも1.6%発生しています(図3)。


図3 施設別の食中毒発生率(件数) (厚生労働省)
主な食中毒の原因と特徴
 食中毒の原因で最も多いのは細菌(食中毒菌)によるもので、約60%を占めます。その他ウイルス(ノロウイルスなど)、自然毒(ふぐ、毒きのこ)、カビ、化学物質などがあります(図4)。
 

図4 食中毒の原因 (厚生労働省)

 細菌性食中毒の件数では、原因菌としてカンピロバクターが最も多く、サルモネラ属菌、黄色ブドウ球菌、腸炎ビブリオの順になっています。
カンピロバクター
原因食品:食肉とくに鶏肉。加熱不十分な鶏肉など。
潜伏期間:2-11日(細菌性食中毒の中では長い)。
症 状 :下痢(小児で血便)、腹痛、発熱、嘔吐など。



サルモネラ食中毒
原因食品:鶏卵、食肉とその加工品。
潜伏期間:数時間~1日。
症 状 :腹痛、嘔吐、下痢(小児で血便)など発熱を伴う急性胃腸炎の症状。



黄色ブドウ球菌
原因食品:おにぎり、おはぎ、弁当、手作りサンドイッチ等多くの食品(手や顔の皮膚、鼻腔、おでき、ニキビなどに常在する菌で、手指を介して食品を汚染)。
潜伏時間:30分~6時間。
症 状 :悪心、激しい嘔吐、下痢、腹痛など。
腸炎ビブリオ
原因食品:海産魚介類(海洋性細菌であるため3~5%の塩濃度でよく発育)。
潜伏時間:4~28時間。
症 状 :下痢(水様性下痢時に粘血便)、腹痛、発熱、嘔吐、悪心など。



食中毒菌汚染実態調査
厚生労働省は平成19年度、汚染食品の排除等、食中毒発生の未然防止を図るため、流通食品の最近汚染実態調査を行いました。
 細菌汚染の指標として用いた大腸菌(E.coli)の場合、対象食品のほとんどで陽性のものが検出されました(図5)。
食中毒原因菌のサルモネラ属菌は、ミンチ肉(牛)146検体中2、ミンチ肉(豚)190検体中9、ミンチ肉(牛豚混合)119検体中1、ミンチ肉(鶏)129件対中38、牛レバー(加熱加工用)116件対中2検体で検出され、カンピロバクターは、ミンチ肉(鶏)129件対中22、牛レバー(加熱加工用)116件対中2検体で検出された。腸管出血性大腸菌O157は検出されませんでした。


図5 平成19年度食品の食中毒菌汚染実態調査(厚生労働省)

予防方法
 細菌性食中毒は基本的には、細菌の性質を理解し、「細菌をつけない、増やさない、死滅させる」ことにより防ぐことができます。
(1)細菌をつけない。
・ 石鹸で手をよく洗う。
・ 食材を洗う(ほとんどの食品の表面は汚れている)。
・ 包丁、まな板などの調理器具をよく洗う。
(2)細菌を増やさない。
・ 低温で保存する(細菌は通常、10℃以下では増えにくくなる)。
・ 塩漬け、砂糖漬け、乾燥などが細菌の増殖を抑える。
・ 調理してからすぐに食べる。
(3)細菌を死滅させる 。
・ 十分加熱をする(菌が増殖していても加熱することによって菌をやっつける)。
しかし芽胞をつくる菌(ボツリヌス菌、ウエルシュ菌など)は100℃の加熱では死滅しないことに注意。

★テッタ博士ってどんな先生?!★
テッタ博士は岐阜県生まれ。岐阜薬科大学を卒業し、現在は東京薬科大学薬学部の教授をされています。薬学博士であり、主に変異原物質(遺伝子に傷を付ける物質)の研究を行っています。研究や薬学生の教育を行う一方で、小中学生へのくすり教育、薬物乱用防止の授業に取り組んでいます。
このホームページに掲載している教材を開発した先生の一人でもあり、協議会の他、国(行政)や地域、幅広くご活躍されている先生です!


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