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テッタ博士の豆知識

2008年8月5日

連載シリーズ「テッタ博士の豆知識」 今月は「熱中症」です。

暑い夏、増加するのが「熱中症」です。熱中症になりやすい条件、基本的な処置法などについて記載しました。

熱中症とは
暑さによって引き起こされる様々な体の不調であり、「暑熱環境下にさらされる、あるいは運動などによって体の中でたくさんの熱を作るような条件下にあった者が発症し、体温を維持するための生理的な反応より生じた失調状態から、全身の臓器の機能不全に至るまでの連続的な病態」と定義されています。
熱中症に関するデータ
1)近年熱中症に罹る人は増加傾向(消防庁報道資料)

                
2)気温が急に高くなると発症しやすい(消防庁報道資料)
 平成19年においては8月中旬に急に暑くなり、熱中症で搬送される人が増加しました。


3)熱中症は重症化した場合、死に至ることもあります(厚生労働省資料)。
 a)熱中症による死亡者は7~8月にピーク


 b) 熱中症による死亡者は午後2~4時にピーク


熱中症にならないために
1. 熱と日光に長時間さらされないよう注意する(高温多湿の条件が特に危険)。
2. 徐々に暑い環境に慣れていく。
3. 失った水分と塩分の補給をおこなう(スポーツや炎天下での労働時は、こまめに水分・塩分を補給する)。
4. 体調が悪いときは無理をしない。
5. 熱中症の前兆(体が思ったように動かない、ボーっとする、手足の感覚がないなど)を感じたら速やかに涼しいところで休憩する。
6. 吸湿性、通気性のいいものを身に着ける。
                                       
熱射病になったら
熱中症の症状から、適した救急処置を行います
1)熱中症の症状
熱けいれん:大量に汗をかいたときに水だけしか補給しなかったため、血液の塩分濃度が低下して、突然、足、腕、腹部の筋肉に痛みを伴ったけいれんがおきます。
熱失神:皮膚血管の拡張によって血圧が低下し、脳血流が減少しておこるもので、数秒間の短い失神のことです。運動中よりも、運動が終わった直後に起こりやすく、顔面蒼白となって、脈は速く、弱くなります。
熱疲労:脱水によって起こる症状で、強い疲労感、虚脱感、頭重感があり、失神、吐き気、おう吐などの症状が現れます。
熱射病:体温の上昇によって中枢機能に異常をきたした状態で、意識障害が起こり、汗が止まって体が熱い場合で、血液が固まり始め、多臓器不全を起こしかけています。速やかに、病院で適切な処置をしなければ、死亡する危険性があります。
2)救急対処
救急処置を知っておきましょう(日本体育協会、スポーツ医・科学より)。
○熱失神、熱疲労の場合
涼しい場所に運び、衣服をゆるめて寝かせ、水分を補給すれば通常は回復します。足を高くし、手足を末梢から中心部に向けてマッサージするのも有効です。
 吐き気やおう吐などで水分補給できない場合は、病院で点滴を受ける必要があります。
○熱けいれんの場合
生理食塩水(0.9%)を補給すれば、通常は回復します。
○熱射病の場合
死亡する可能性の高い緊急事態です。体を冷やしながら、集中治療のできる病院へ一刻も早く運ぶ必要があります。いかに早く体温を下げて意識を回復させるかが予後を左右するので、現場での処置が重要です。体温を下げるには、水をかけたり濡れタオルを当てて扇ぐ方法、頚、脇の下、足の付けねなど太い血管のある部分に氷やアイスパックをあてる方法が効果的です。循環が悪い場合は、足を高くし、マッサージをします。
 症状としては、意識の状態と体温が重要です。意識障害は軽いこともありますが、応答が鈍い、言動がおかしいなど少しでも異常がみられる時には重症と考えて処置しましょう。

***熱中症に関しては多くの資料が出ています。****
環境省:熱中症環境保健マニュアル(2008年6月改訂版)
http://www.env.go.jp/chemi/heat_stroke/manual.html
環境省:熱中症予防情報サイト
http://www.nies.go.jp/health/HeatStroke/index.html
日本体育協会:熱中症を防ごう
http://www.japan-sports.or.jp/medicine/guidebook1.html
気象庁:熱中症予防情報
http://www.n-tenki.jp/HeatDisorder/

☆テッタ博士ってどんな先生?!☆
テッタ博士は岐阜県生まれ。岐阜薬科大学を卒業し、現在は東京薬科大学薬学部の教授をされています。薬学博士であり、主に変異原物質(遺伝子に傷を付ける物質)の研究を行っています。研究や薬学生の教育を行う一方で、小中学生へのくすり教育、薬物乱用防止の授業に取り組んでいます。
このホームページに掲載している教材を開発した先生の一人でもあり、協議会の他、国(行政)や地域、幅広くご活躍されている先生です!



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