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テッタ博士の豆知識

2008年10月7日

連載シリーズ「テッタ博士の豆知識」 前回に続き「食物アレルギー(2)」です。

食物アレルギーと薬

 医薬品の中には、鶏卵、牛乳・乳製品などから作られるものがあり、これらでアレルギー症状を起こしたことのある人は注意が必要となります。
その代表例が鶏卵から作られている塩化リゾチームです。

注)食物アレルギー(2)より
食物アレルギーの原因(抗原:アレルゲン)は主に食品中のタンパク質です。アレルゲンを含み、食物アレルギーの原因となりやすい食品としては、鶏卵、牛乳・乳製品、小麦などがよく知られています。

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薬局でかぜ薬を買った時、箱の中に入っている添付文書を見てください。
こんな内容の添付文書が入っていることがあります。

“医薬品添付文書” 総合かぜ薬)
使用上の注意
○ してはいけないこと(守らないと現在の症状が悪化したり、副作用・事故が起こりやすくなります)
1.次の人は服用しないでください
(1)本剤又は鶏卵によるアレルギー症状を起こしたことがある人。
(2)・・・
2.本剤を服用している間は、次のいずれの医薬品も服用しないでください
  他のかぜ薬、解熱鎮痛薬、・・・・
○ 相談すること
1.次の人は服用前に医師又は薬剤師に相談してください
(1)・・・
2.次の場合は、直ちに服用を中止し、この説明書を持って医師又は薬剤師に相談してください
(1)服用後、次の症状があらわれた場合。
  ・・・・・・・
   まれに右記の重篤な症状が起こることがあります。その場合は直ちに医師の診療を受けてください。
効能・効果
成分・分量

 dL−塩酸メチルエフェドリン・・・** mg
 (気管支を広げ、呼吸を楽にして、せきをしずめます。)
塩化リゾチー・・・*** mg(力価)
 (鼻の炎症をしずめ、たんをやわらかくして、出しやすくします。)
 ・・・・・・



また医薬品「塩化リゾチーム」の注意事項には
(1)服用してはいけない場合……本剤の成分に対するアレルギーの前歴/卵白アレルギー症状のある人(2)慎重に服用すべき場合……アトピー性皮膚炎・気管支ぜんそく・薬剤アレルギー・食物アレルギーなどのアレルギー性素因のある人/両親・兄弟などにアレルギー症状の前歴がある人
副作用の注意
重大な副作用
(1)ショック,アナフィラキシー様症状(顔面蒼白,四肢冷感,じん麻疹,チアノーゼ,呼吸困難など)がおこることがあります。と書かれています。  

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卵アレルギーと薬
塩化リゾチームは卵白由来のタンパクです。塩化リゾチームおよびこれを含む医薬品を投与すると、卵白アレルギーがある場合にはアナフィラキシー症状などを含む過敏症状をひきおこす可能性があるために、服用禁忌となっています。また、鶏肉にアレルギー症状が出る場合があり過敏症の方も、使用には充分注意をして下さい。
塩化リゾチームを含む医薬品
塩化リゾチームは消炎作用があるため、喉の炎症や鼻炎を抑えるために、病院で処方される場合や、薬局で販売される市販のかぜ薬などにも含まれています。他にも鼻炎薬、点眼薬、痔の薬、歯科関連のトローチ、歯痛・歯槽膿漏の薬などに含まれていますので、市販薬を購入の際は、充分に成分名を調べて下さい。わからないときは、薬剤師に相談して下さい。

卵アレルギーとインフルエンザワクチン
インフルエンザワクチンは、鶏卵の組織を培養して創るため、アレルギーを起こしやすいと考えられます。鶏卵を食べたときに、少しでもアレルギーを起こす可能性のある人は、医師、薬剤師に相談して下さい。インフルエンザHAワクチンでは、添付文書中には「本剤の成分又は鶏卵、鶏肉、その他鶏由来のものに対して、アレルギーを呈するおそれのある者」に対して「慎重投与」の記載がされています。
卵白に含まれる主なタンパク質

牛乳アレルギーと薬
1)カゼインと薬
牛乳に含まれるアレルゲンは主に牛乳タンパク質であるカゼインやラクトグロブリンなどですが、牛乳タンパク質の80%をカゼインが占めており、そのアレルゲン性も高くなっています。
 カゼイン(及びその塩化物であるカゼインナトリウム)は、医薬品添加物に指定されており、賦形剤や粘着剤、結合剤などに使用されています。カゼインを含む医薬品の添付文書に、禁忌・原則禁忌として記載されています。
 脱脂粉乳が添加されている製剤も、牛乳アレルギーの人は注意してください。
カゼインを含む医薬品メイアクト錠(セフェム系抗生物質)、ミルマグ錠(制酸剤)、バイランCa錠
(カルシウム製剤)など
牛乳に含まれる主なタンパク質

医薬品によっても食物アレルギーを引き起こす危険性のあることを紹介しました。アナフィラキシーは発症が非常に急激なのが特徴的です。卵アレルギーや牛乳アレルギーのある人は薬を処方してもらう前、薬を購入する際に、医師・薬剤師に必ず申し出ましょう。

参考資料
『卵アレルギー既往患者への投与に注意を要する薬剤改訂第5版』
http://www.drugsinfo.jp/2007/12/07-012039
カゼインまたはその塩類含有製剤と牛乳アレルギーについて
http://www.yakujien.com/Pages/k_milk.html


☆テッタ博士ってどんな先生?!☆
テッタ博士は岐阜県生まれ。岐阜薬科大学を卒業し、現在は東京薬科大学薬学部の教授をされています。薬学博士であり、主に変異原物質(遺伝子に傷を付ける物質)の研究を行っています。研究や薬学生の教育を行う一方で、小中学生へのくすり教育、薬物乱用防止の授業に取り組んでいます。
このホームページに掲載している教材を開発した先生の一人でもあり、協議会の他、国(行政)や地域、幅広くご活躍されている先生です!






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