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テッタ博士の豆知識

2009年1月7日

連載シリーズ「テッタ博士の豆知識」、新年第一号は、「化学物質過敏症」です。

化学物質過敏症

 生活環境中のある種の化学物質にかなり多量に曝されるか、あるいは少量だけれども繰り返し曝されると、後にごく微量の化学物質に接触するだけで、頭痛などの症状が現れることがあります。これを「化学物質過敏症」と呼んでいます。
 微量の化学物質によって症状が起こるというのが大きな特徴です。さらに、化学物質過敏症を発症した人が、その後異なる多種類の化学物質によっても発症することがあり、これを「多種類化学物質過敏症」といいます。
 子供にこの症状が出た場合には、「学校に通いたくても通えない」状況が出てきます。この病気を正しく理解し、学校全体で対策を考えることが必要です。
発症状況の特徴は以下の通りです。
・化学物質に(繰り返し)曝された場合、症状が再現性をもって現れる。
・慢性的である。
・過去に経験した曝露や一般的には耐えられる曝露よりも低い濃度に対して反応を示す 。
・原因物質を除去することによって、症状が改善または軽快する。
・関連性のない多種類の化学物質に対して反応が生じる。
・症状が多種類の器官にわたる。

【原因】発症のメカニズムがまだ明らかではありませんが、過去に化学物質に多量又は繰り返し曝露されたことで、体の耐性限界を越えてしまったことによって発症すると考えられています。多くの化学物質が原因となる可能性を持っています。

【症状】神経系の症状が現れます。
·自律神経系症状:発汗異常、手足の冷えなど
·精神症状:不眠、不安、うつ状態など
·末梢神経系症状:運動障害、知覚異常など
·気道系症状:のどの痛み、乾きなど
·消化器系症状:下痢、便秘、悪心など
·眼科系症状:結膜の刺激症状など
·循環器系症状:心悸亢進など
·免疫系症状:皮膚炎、喘息、自己免疫疾患など
 

【対策】
 いずれも、原因を排除さえすれば軽減します。
1.化学物質の発生源を把握して、それを取り除く。
2.積極的に室内の空気を入れ替える。
3.空気清浄機を使用する。

化学物質過敏症とシックハウス症候群

 室内に発生する揮発性化学物質などが原因で、住居内で「化学物質過敏症」と類似の症状が現れることがあり、これを「シックハウス症候群」と呼んでいます。メカニズムが明確でなく、厳密に区別することは困難ですが、両者は以下の点で異なります。
・化学物質過敏症の症状を引き起こす化学物質の濃度は、シックハウス症候群を発症する濃度(シックハウス症候群の原因物質については、厚生労働省から室内濃度指針値が設定されている)より低い濃度で発症する。
・シックハウス症候群は問題となる室内を離れると症状が軽快するが、化学物質過敏症は問題となる住居を離れても、その後様々な化学物質に反応するようになる。
・シックハウス症候群は広義的には、有害な化学物質のみが原因でなく、生物的要因も含まれる。
化学物質過敏症の場合、原因物質の半数以上が、シックハウス症候群の原因物質といわれていますが、排気ガス、タバコ、農薬、殺虫剤、化粧品、シャンプー・リンス、洗剤、スプレー、香料など多種多様なものが原因となります。
 

化学物質過敏症とアレルギー症
いずれもある程度の量の化学物質に曝露されて、一旦過敏性を獲得する(感作)と、その後極めて微量の化学物質に曝露されることで発症する(発作)こと、および発作の段階では、中毒を起こすよりもずっと少ない量の曝露によって発症するなど類似点がありますが、両者は以下の点で異なります。
· アレルギー症は、免疫反応によるものですが、化学物質過敏症は、自律神経系への作用が中心で発症する。
· アレルギー症では、発症する特定の物質と症状は一定(例えばスギ花粉症)ですが、化学物質過敏症では、人によって発症する物質と症状が異なる。
· 化学物質過敏症では、物理的な刺激や精神的なストレスがあると発症しやすい。 

シックハウス対策  厚生労働省
http://www.nihs.go.jp/mhlw/chemical/situnai/sickindex.html


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