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テッタ博士の豆知識

2009年3月6日

連載シリーズ「テッタ博士の豆知識」、今号は、「小児気管支喘息」です。

 気管支喘息は、アレルギー反応などにより気管支が過敏な反応をした結果、突然咳が出て息苦しくなる病気です。環境や生活様式の変化に伴い、アレルギー性疾患の増加が社会的な問題になっている近年、注意が必要な病気の一つです。現在、症状がある人は、小学校で3.3~13.1%、中学校で5.3~11.9%と報告されています。気管支喘息は、原因を把握し、環境、生活様式を改善する事で症状を軽くすることもでき、自己管理が極めて重要な病気です。

原因
 小児気管支喘息の90%は、アレルギーの原因となる物質(アレルゲン)によるアレルギー反応で引き起こされている「アトピー型喘息」といわれています。アレルゲンを特定できないタイプの喘息は、「非アトピー型喘息」と呼ばれています。どの因子が問題であるかを明らかにすることが、治療の第一歩となります。
主なアレルゲン : ダニ、カビ、ハウスダスト、ペットの毛やフケ、食品(小麦、卵など)
その他の因子:天候や気候(気温、気圧、湿度の変化 )、運動 、ストレス 、タバコの煙(受動喫煙)、ウイルスなどの呼吸器感染症(RSウイルス、ライノウイルス、インフルエンザウイルスなど)、大気汚染、暖房器具や建築建材による室内空気汚染

診断・検査
1.  呼吸機能検査:
・息の出せる量(最大呼気流量)などを測定し、喘息の重症度などを調べます。
2. アレルゲンを見つける検査:
・免疫検査:アトピー型喘息では、特異的IgE抗体を調べることにより喘息アレルギーを起す物質(アレルゲン)を証明します。
・誘発試験:原因と思われる物質を吸入し、気管支喘息が誘発されるか調べます。

予防・治療(日常生活の改善と薬物療法)
1)日常生活の改善
 気管支喘息の予防・治療には、日常生活の改善により危険因子を可能な限り回避することが重要なとなります。
·アレルギー原因の除去(家塵中のダニの除去を目的とした室内改善などを行う)
·体調の管理(風邪や過労、睡眠不足、偏った食生活に注意し、規則正しい生活を心がける)
·禁煙

2)薬物療法
喘息発作の程度は小発作、中発作、大発作、呼吸不全に分類され、喘息発作の程度によって薬物治療の方法は異なります。
薬物療法は医師、薬剤師の管理、指導のもとに行われますが、急性発作時に適切に対応するために、日頃から以下のような心がけが必要です。
1. 発作の程度を把握できるようにする。
2. 定期薬の把握。日頃内服している薬の名前と量をメモしておく。
3. 発作時に頓服で使用する薬を処方してもらい、薬の名前、量をメモしておく。また使用するタイミングを決めておく。
4. 夜間・休日に受診できる医療機関を探しておく。

 気管支喘息は、繰り返し発症することが多く、完治するのが難しい病気のひとつです。発作が治まったときに自分の判断で勝手に薬の服用をやめてしまうと、慢性化したり、悪化したりすることがあります。薬は医師、薬剤師の指示に従って、正しく服用を続けましょう。

参考
ガイドライン 小児気管支喘息  (リウマチ・アレルギー情報センター)
http://www.allergy.go.jp/allergy/guideline/01/contents_01.html

気管支喘息 EBMに基づいた患者と医療スタッフのパートナーシップのための喘息診療ガイドライン2004(小児編)  (財団法人日本アレルギー協会)
http://www.jaanet.org/contents/kikan.html


☆テッタ博士ってどんな先生?!☆
テッタ博士は岐阜県生まれ。岐阜薬科大学を卒業し、現在は東京薬科大学薬学部の教授をされています。薬学博士であり、主に変異原物質(遺伝子に傷を付ける物質)の研究を行っています。研究や薬学生の教育を行う一方で、小中学生へのくすり教育、薬物乱用防止の授業に取り組んでいます。
このホームページに掲載している教材を開発した先生の一人でもあり、協議会の他、国(行政)や地域、幅広くご活躍されている先生です!


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